40号─平成7年1月発行
立山鳥獣
立山開山伝説では白鷹が刀尾天神の化身として佐伯有頼を導き、立山権現の化身である熊が阿弥陀如来に姿を変え、立山を仏教の山として開くよう宣託を告げたという。雷鳥は立山の神の使いといわれ、雷鳥の絵は火災・雷よけのお守りとして珍重された。
文・松岸得之助・湯浅純孝・木本秀樹・米原寛
39号─平成6年12月発行
婚礼蒲鉾
富山の婚礼につきものの蒲鉾は鯛や鶴亀、松竹梅などめでたいものづくし。華やかな細工蒲鉾は見事である。これらの蒲鉾は持ち帰りを前提としており、披露宴のご馳走をお裾分けするのは婚礼の承認の輪を広げることを意味する。社会的意味をもった風習なのである。
文・佐伯安一・米原寛・坂下顕・川崎賢一
38号─平成6年11月発行
立山砂防
常願寺川は、永年にわたる土砂の流下で天井川となっている。デ・レーケの改修工事により、水害の多くは除かれたが、上流から流出する土石はおさまらず、根本的な解決にはならなかった。下流域の人々の暮らしを守るため、砂防工事は現在も続けられている。
文・西井洋史・竹内章・菊川茂・佐伯金蔵
37号─平成6年10月発行
石垣
石垣は、民家を守るための石積みとして、地域によってさまざまな特徴をもって趣のある表情を見せている。洪水に備えるもの、強い風を防ぐものなど、石を積むには切実な理由があった。日本では石の文化は育たなかったが、石垣は唯一それを感じさせるものである。
文・京田良志・佐伯安一・前田英雄・竺覚暁 |